〜プロローグ〜


 紐が食い込んだ指が痺れてきていた。
 圧迫される場所を変えようと、しばしば試みてはいるんだけど、うまくいか
ない。
 なにせ、生八つ橋の箱が詰まった紙袋を、前を行く人数×2袋くらいぶら下
げつつ、漫画の世界でしかお目にかかれないくらいの荷物を両手で抱えている
のだ。
 ちょっと指を動かすだけで、抱えている土産ものの箱が不安定に揺れてしま
うし、手のひらにめり込んだ肝心の紐も、このバランスゲームのブロックとな
っている可能性がある。というか、なまじの力では動かない時点で、最重要ブ
ロック確定かもしれない。
「……はぁ……」
 僕は口を塞いでいる包装紙に向けて思わずため息。
 重労働だった。
 諦めざるをえない指先の痺れ。胸の前で積み重なった荷物による視界の悪さ。
その上、袋が足にかかって歩きにくいときた。
 実際は歩きにくいどころか、彼女たちの後ろをついて歩くだけで精一杯の状
態なんだけど。
 と、前を行く女子の1人が振り返って、ペースを落とす。
「……どうかした?」
 彼女は隣から顔を覗き込んできた。
「不満そうよね」
「……別にね、綺さんの荷物を持つのはいいと思うんだけど……どうして他の
女子の分まで僕が持たなくちゃいけないんだろうとかって、かなり考えていた
りするわけ」
「ふうん。そうなんだ」
 綺さんは無責任っぽい声で言う。
「要は、ご主人様に仕える義務はあるけど、そのお友達に命令されるいわれは
ないんじゃないかなってことなんだけど」
「じゃあ断ればいいのに」
「断ってよかった?」
「荷物持ちだから、当然……」
「だめなんだよね」
「そうよ」
 綺さんは形のいい唇を数ミリ動かして微笑むと、耳元に口を近づけてきた。
「……お利口にしてたから、あとでたっぷりご褒美あげる」
 彼女はそう言い残すと、前を行く他の女子4人と合流した。
 僕はゴクリと唾を呑む。
 今日はどんなことをされて、どんなことをさせられるんだろう。
 僕の中で膨らんでいくのは不安じゃなくて、期待。
 いつからこうなったのかな……。
 僕は修学旅行で訪れた京都の道を歩きながら、ちょうど1ヶ月前の出来事を
思い返した。
 あの日から、僕と彼女は『親しく』なったのだ。
 普通の男女の関係とは、ちょっと違うんだけど……。




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