第三章 〜のめり込んでいく僕たち〜


  〜1〜

「おはよう、三谷くん」
 予鈴15分前に登校してきた僕に、柳さんが声をかけてきた。
「う、うん、おはよう」
 なんというか、うまく柳さんの顔を見れなかった。本能を見せ合ったせいで
気恥ずかしい。昨日だって、家に帰った後、親の顔を見にくかった。なんとな
くレベッカのメロディが頭に流れたりして。いや、というか、気分はむしろ犯
罪者だったから、歌とは違うかも。
「えーとね、三谷くん……その……」
「ど、どうかした?」
「ちょっと、言いにくかったりするんだけど……」
 本当に言いにくそうな顔をしている柳さん。
 もしかして、昨日のことで彼氏として失格だったということで、柳さんから
別れを切り出されてしまったりするんだろうか。その場合、どうしよう。とい
うか、それじゃ選択の余地なしだよね。恋愛って結局、相手に幻想を見てない
とできないもんだし。数年後に会ってよりを戻すなんてことがあっても、物語
の中みたいにお互いのために別れましょうなんてこと、絶対少ないはず。
「三谷くん……?」
「あ、ああ、うん……なに?」
「なに考えてたの?」
「いや、ちょっと、言いにくいことって何かな、と……」
「もう少し、観察力とか洞察力、鍛えた方がいいんじゃない? まあ、思考を
走らせるのは、面白いと思うけど」
「…………」
 僕はとりあえず黙って、柳さんに目を走らせる。
 柳さんは教室の手前で、荷物を持ったままだ。今日は1〜2限目が体育、水
泳の授業だ。教室の中では男子が着替えている。女子は教室には寄らずに直接
プール下の更衣室に向かうわけだけど、いつも見学で着替える必要のない柳さ
んだから余裕があって、僕を待っていとしても不思議じゃない。
 問題は、どうして柳さんが、電話でもメールでもなく、直接ここで僕を待っ
ていたのかということかな。授業前の余裕のない時間帯なのに、言いにくいこ
とを……言い換えれば、長引きそうなことを言うために。
 今じゃないと言えないから?
 内容は、朝イチのおはようという単語でないことは確かだと思うけど……。
「ええっと、もしかして、つまり……さぼりのお誘い、とか?」
「ええ、そう……」
 柳さんは少し申し訳なさそうな顔で頷く。
「そっか……」
 思い至らなかったけど、毎回毎回2時間も見学なんて面倒くさすぎる。考え
事が好きで、いくら暇な時間があってもいいとはいえ、明らかに鬱陶しい。
「いいよ、さぼっても。今まで一応授業にはまじめに出てたから、週間授業日
数×7が許容範囲で、安全率を考慮すると、たぶん20時間くらいさぼっても
平気かな。推薦入試は受ける気はないから、皆勤賞なんてどうでもいいし」
「うん、ありがと」
「柳さんの水着姿が見れないから、あんまり意味ないしね」
「三谷くんも興味あるの?」
「いや、まあ、そりゃあね……」
 明後日の方向を見て、頷く僕。
 僕も一応は人並みの男ではあるわけで、裸というのは露骨すぎるにしても、
水着姿は見てみたいかなと思う。なんだかんだ言って、あそことかはもう見ち
ゃったりしてるわけだけど、水着姿はやっぱり別という感じだ。グラビアが水
着姿が多いから、もしかすると、自分だけの独占アイドルとかみたいなひねく
れた感情がそこに存在している可能性もなきにしもあらず。
 くすりという感じの笑い声が間近で聞こえてきた。首を横に動かすと、柳さ
んの顔があった。
「いつか、2人の時に見せてあげてもいいよ。まだ1回も着てないし……」
 囁くような声で言ってくる。
「そっか。そうだね……」
 どきりとしながら、僕は首を楯に動かす。
「水着ってね、生涯で数えるくらいしか着たことない。ショートパンツとかパ
レオとかで隠せるかもしれないけど……そもそも一緒に行くような相手がいな
かったから」
 やっぱり、僕が第一号?
 とちょっと誇らしげな気分……。
「あ」
 つい、忘れていることに気づいて声が出た。
「どうかしたの?」
「えーとさ、さぼるのはいいんだけど、さぼってどうするの?」
「昨日の今日なんだけど……いい?」
「……うん」
 無意識で、そういうこともあるかなと思っていたから、そんなに驚きはなか
った。
「保健室でしよ。先生、たぶんいないから」
「わかった」
最初に教室でしてしまっていることもあって、学校で行為に及ぶことも、あま
り抵抗はない。最後までするようなことがあれば、さすがにちょっと、と思わ
ないでもないけれど……。
 僕たちは静かに教室の前を後にした。


  〜2〜

「いない?」
 僕は保健室の中から出てきた柳さんに聞いた。
「うん、誰もいない」
 明かりがついていなかったので、予想はしていた。
 僕たちは保健室の中へ入って、奥のベッドへ向かう。三つあるベッドはそれ
ぞれがカーテンで仕切られていて、外から中の様子は見えない。実際のところ、
情事には好都合な設定だ。もちろん、カーテンでは声や音が外に漏れるのは防
げないから、保健室に他人がいたら、ちょっとしんどいけどね……。
「どきどきするね……やっぱり」
「……そうだね」
 僕と柳さんは体温を感じられるくらいの距離を空けて、並んでベッドに腰か
けた。
 ゆっくりと、柳さんがこちらを向いた。さらりとした髪が揺れる。窓から入
ってくる光がカーテン越しで柔らかくなり、柳さんの横顔を優しく照らしてい
る。僕にはもったいないくらい、綺麗。僕だけ、世界で一人だけなんだよな、
見てるのって。
「あのね、三谷くん……」
 唇を少し濡らして、口を開く柳さん。
「舐めて、もらって、いい?」
「え……ふぇ、フェラチオ……ってこと?」
「うん……そう」
 柳さんは照れた感じで頷いた。昨日の今日でのエスカレートが恥ずかしいん
だろうと思う。
 うーん、さすがに抵抗が。でも、こんなこと何回も柳さんに言わせるのもち
ょっと男が廃るというか。いや、男だから女だからというより、なんて言うの
かな、ちょっと話が感覚的。まあいいや。
 とにかく、柳さんに気持ちよくなっるのを見るのは、ぜんぜん嫌じゃないし。
柳さんのだったら、自分のを舐めることを考えるよりずっと平気っぽいわけで。
「……いい?」
「う、うん……いいよ」
 躊躇いを消すように意図的に大きく首を振る僕。
「じゃあ、お願い……」
 柳さんは座ったままスカートに手を入れ、するするとショーツをずり下げた。
片足ずつ上げ、丸まった下着を抜き取って、ポケットにしまう。それから、靴
を脱いで、足をベッドに上げた。
「えっと、どうしようか……」
「三谷くんも……上がって」
 柳さんはそう言いながら、伸ばしている足を軽く左右に開いた。そこに入っ
てしてほしい、ということらしい。
「あ、うん」
 僕もベッドに上がると、柳さんの足の間に体を入れる。正座の体勢から頭を
下げると、スカートを突き上げる勃起の下で女の大事なところが丸見えになっ
ていた。見たのは初めてじゃないけど、ここまであからさまに目に入ったのは
初めてだった。
 普段はペ○スを触っているのか、あんまり触った形跡がない、ひめやかな割
れ目だった。
「あんまり見ないで……」
 仰向けに寝た柳さんは少し恥ずかしそうに顔を背けていた。頬が真っ赤に染
まっている。
「あ、あ、うん、ごめん」
 股間からばっと目を離す。どうしようか困った。やっぱりどうしてもエッチ
なところに目がいっちゃうわけで。ピンク色の割れ目とか、勃起とか、見たこ
とがない角度から見る胸の膨らみとか……興奮と羞恥に色づいている柳さんの
顔とか。
「顔、見えちゃうから、タオルかぶって。もし誰か来てもばれないかもしれな
いし……」
 お腹の上で組んだ柳さんの手は少し震えている。可愛い。
「えと、こう、かな?」
 タオルケットを頭からかぶった。光は透けてくるので、視界不良はない。
 僕はタオルケットごと、柳さんの股間に向かって上半身を曲げていった。柳
さんの顔が見えなくなる。
「スカート、捲るよ」
「……うん」
 返事を聞いてから、スカートに両手をかけ、捲った。柳さんの鼓動に合わせ
て震えている肉棒がででんっと目の前に露わになる。
 すご……。
 何度見ても、立派だ。柳さんのものとは思えないくらい、猛々しくて、グロ
テスクで……それに、卑猥。
「……あ……」
 周りをタオルケットに囲まれているせいで、ふわりと柳さんの匂いが漂って
きた。目の前にある肉棒と角度的にほとんど見えない女性器から匂いが出て、
混ざっている感じ。柳さんの興奮が籠もっているのか、頭がぼーっとなるくら
い、心地よくて、たまらない性の匂いだった。ズボンの中の僕のペ○スも一気
に力強くそそりたつ。
「ね、ねえ……ま、まだ……かな……?」
「ご、ごめん……じゃ、じゃあ……舐めるよ?」
 僕が言うと、ぴくっと柳さんの肉棒が飛び跳ねた。
「うん……いっぱい、舐めて……」
 僕は期待を膨らませている柳さんの股間に、ゆっくり顔を近づけていった。


〜3〜

 柳さんのモノだと、やっぱりそんなに嫌悪感は感じなかった。僕自身の興奮
のせいかもしれない。
「はぁ……三谷くんの、息、かかってくる……」
 それだけで柳さんのペ○スが上下に飛び跳ねる。大きくてグロテスクなのに、
なんとなく可愛らしい。
 握って、起こし、顔を近づける。
「な、舐める、よ……」
「……うん、お願い……きゃあんっ……ひぅっ……!」
 伸ばした僕の舌が柳さんの先端に触れた。びくんっとペ○スが跳ね、そのせ
いで戻ってきたときにも擦れてしまう。
 ちょっと、しょっぱいかな?
 舌の上には微かな塩味と酸味が残っていた。劣情を刺激するような物質も入
っていたのか、胸の中とか目の奥が熱くなってくる。
 亀頭の裏側に舌を這わせた。今度はきちんと固定して、舌腹を押しつけるよ
うにする。
「ふああ……あう……」
 どくどくと舌を通して柳さんの鼓動が伝わってくる。鼻で息を大きく吸い込
むと、男と女、二つの性器から漏れる甘酸っぱさの中に石鹸のいい香りがした。
朝にシャワーを浴びたときにでも、きれいに洗ってきたらしい。そういうこと
をしている柳さんを想像すると、なんか愛おしくなってきた。僕はぞろりと舌
を動かして、亀頭の裏を舐め上げた。
「くひぁっ! はああうっ……! うぅっ……み、三谷くん……!」
 最も敏感な部分を粘膜で擦られた柳さんが子犬のような鳴き声を上げた。タ
オルケットの上から頭を掴まれる。
「き、気持ちいい?」
「うん……想像してたより、ずっと……」
「じゃあ、もっと……舐めるね」
 自分が舐められて気持ちいいと思うような場所を舌先でつついたり、ペロペ
ロとねぶったり、舌で擦ったりする。
「あううっ……! んっ、い、いい……! あ、あったかくて、ぬるぬるして
て……ひふぅぅぅっ……!」
 大きな声になりそうになったのか、くぐもった声音に変わった。
「すごい……すごく、びくびくして……んちゅ……」
「んくっ……うぅっ、き、気持ちいいよ……」
 柳さんの足も動いて、僕にぶつかってくる。僕を左右から締めつけたり、膝
の位置が高くなったり低くなったり。タオルケットの向こうの上半身も、絶え
間なく悶えているのが感じられた。
 技巧もなく舐めているだけで、亀頭が赤黒さを増し、どんどん張りつめてい
く。割れ目から溢れた滴が、どろどろと舌の上に零れてくる。
「ちょっと、しょっぱいかも……」
「はああっ、そんなこと、い、言わないでよ……んんぅっ!」
「い、痛いってば……」
 髪の毛がタオルケットごと引っ張られた。
「あ、ごめ……ふぅぅんっ、あっ、あっ……!」
 いったんは離れた手が、また頭を掴んでくる。僕は突き出した舌をちろちろ
と左右に動かして、ぬめった鈴口を擦った。
「ひぐぅ……すごい、よ……くああっ、そこだめっ! 舌、突き刺さないで…
…感じ過ぎちゃ……!」
 柳さんの腰がビクッと跳ねた。そのせいで、鈴口をえぐっていた舌が、さら
に奥まで突き刺さってしまう。快感が膨れ上がったのか、肉棒が手を弾きそう
なほどに飛び跳ねた。
「やあああぁぁっ! あっ! だ、だめ、だめっ、三谷くんっ! 出ちゃう…
…出ちゃうぅぅっ!」
「あ、あ、えっと……」
 家のベッドではないので、手が届くところにティッシュペーパーなどあるは
ずもない。やっぱり、あんまり冷静じゃなかったということかもしれない。
「く、銜えてっ! 三谷くんの、口の中で、いかせてっ……!」
 言われて、僕は柳さんのペ○スの先端を銜え込んだ。
「ふあああっ! これ、ああぅっ、これが、三谷くんのっ、口の中なの……!」
 先端を銜えただけで口がいっぱいになっていた。歯を立てないように唇をか
ぶせる。
「あ、あったかいよ……! ううん、熱いっ……三谷くんの、口、どんどん、
熱くなってくみたいっ……! あっ、ひあぁんっ……!」
「うぐぅっ、むぐぅ……む……!」
 柳さんのあまりの大きさに吐き気がしてきたけれど、何とか堪えながら、銜
えながらの愛撫を施す。
「唇、締まってっ……! はあっ、や、舌、いっぱい動いてる……! ひぃぃ
っ! だ、だからそこっ、さ、先っぽはだめなのぉっ!」
 柳さんの足の裏がベッドを叩く。
「くふぅんっ、んっ! ああっ、頭の中、痺れてくるぅっ……! いくっ、で、
出ちゃっ……うよっ! あっああああああーーーっ!!」
 柳さんの肉棒が、唇が張り裂けそうになるほどに膨らみ、びくんっと口の中
で大きく跳ねた。煮えたぎった液体が管の中を走り、粘り気のあるドロドロが
喉の奥にぶつかってくる。
「ふぐぐっ!? んむっ……んんーっ!」
 絶頂を迎えたペ○スが上下に激しく暴れ、熱い粘液を口腔へ送り込んでくる。
ブシュブシュと音を立てるように、大量のザーメンが口の中を満たしていく。
「はあああーーっ! 私、いっぱい、出してる……! 三谷くんの口に出して
るよぉっ! ひゃはああぁぁぁぁーーっ!!」
 柳さんの悲鳴の中、なおも射精は続いた。口から溢れそうになったために、
歯を立てないように気をつけて口の奥にある柳さんの精液を飲み込む。僕の頭
もちょっとどころでなくボーっとしていたので、味はあんまりわからなかった。
苦いようなしょっぱいような。何にしてもそれは僕の体の中に入ると、媚薬の
ように全身に滲みていく。柳さんの精液は本当に純粋な性欲の塊という感じだ
った。
「んぶぅっ……んぐっ、んっ……」
 僕はいまだ射精の勢いが衰えない柳さんの肉棒を銜えたまま、次々と噴き出
してくる精液を何とか飲み干していった。
「あうっ、うああああっ……! す、吸って、三谷くん……!」
「じゅぷっ……ふむっ、じゅるるるーーっ!」
「ひぎっ、あっひゃあああああぁぁぁーーーーっ!!」
 予想以上の快感に襲われたらしく、柳さんの上半身がベッドの上で勢いよく
跳ね回った。あまりの反応の大きさに圧倒されて、僕は吸うのをやめる。
「くひゃっ! あ……あああっ……」
 間もなく射精が治まり、柳さんはぐったりと脱力する。
 僕の顔を挟む太股がしっとりと汗に濡れていた。


〜4〜

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……!」
 柳さんの息づかいが荒かった。
 手でしたときの何倍も激しい声を上げていたから、それだけ体力を消耗した
のかもしれない。
 僕は柳さんの勃起から口を離した。まだ全然治まっていない肉棒の亀頭が、
唾液と精液の名残に濡れ光っている。
 口の中に溜まっていた柳さんの精液を、味を確かめながら呑み込んだ。
 ふと疑問。この液体はどこで作られているんだろう。
 柳さんが喘いでいるのをいいことに、僕は股間をしっかりと観察する。もち
ろん、男の急所なるものは存在しない。けれど、液体は出てくるわけだから、
管は体内で繋がっているのだろう。こればかりは、外からではわからない。
 まあいいや、どうでも。
「三谷くん……」
「……あっ、え、うん、何?」
「もう一回、いい?」
「あ、いいよ……柳さんだから、きっと、あと二回くらいかなとかって思って
たし……」
 僕はつい、そんなことを言ってしまう。だって、予想できたことだったから。
「も、もうっ……」
 恥ずかしそうな声。柳さんの足が、ぎゅううっと僕を締めつけてきた。照れ
てるっぽい。でも痛い。
「あいたたたっ……痛いって……柳さんっ」
「三谷くんが変なこと言うからよ……!」
「そんなにされたら、できないってばっ」
「もう言わない?」
「言わない、言わないから離して……」
 なんか、いちゃついている感じで、もぞもぞと動く僕と柳さん。これまでで
一番、付き合っているんだなーと思えた。
「じゃあ、お願いね」
「うん……」
 あらためて、萎えていない肉棒を見やる僕。何度見ても圧倒的な存在感。大
きいよなー、と思いながら口を開けた。
 そこで、がらがらがらっという音が割り込んできた。
 保健室のドアが開いたらしい。
「……あ」
 柳さんが小さな声を上げる。
「……っと、誰か来ているのかい?」
 女保険医の気怠げな声が聞こえる。近づいてくる足音。
 わわわわっ!
 僕はタオルケットを剥ぎ、ベッドの下に潜り込む。幸いというか、保険医側
の半分に荷物が押し込められていて、保険医に診られないようにうまく隠れら
れた。
 そこでベッドを隔てるカーテンが開く。
「柳さんか。どうしたの? 生理?」
 思わずどっきりする僕。とはいっても、女性なら月に一度はあるわけで。特
に水泳なんかだと生理の日は出ないのが普通……かな?
「いえ、違います。今日、水泳だから」
「ああ。ヒマだったの?」
「そうですね……」
「ま、ゆっくりしていきなよ。水泳が終わるまではいても良いよ」
 カーテンが閉まってスリッパの足音が離れていった。
 僕はそおっと顔を出す。
「……いいよ」
 囁き声と手招きに、僕はもう一回ベッドに上がった。

〜5〜

 柳さんはハンカチを出した。
 声を出さないように銜えて、噛みしめる。
 頷きに合わせて、僕は股間に顔を伏せた。唾液で赤黒く濡れ光っている亀頭
を、銜えていく。
「むぅっ……! ん……んーっ……」
 ビクンッと唇の間で柳さんの肉棒が脈打った。
「ふぐ……ン、……んっ……」
 亀頭の少し下、幹の中でも敏感な部分を唇でしごいていく。
「ふぅ……うぅ……く、ん……」
 声を我慢しているせいか、柳さんのペ○スは激しく震えている。僕の左右に
あるしなやかな生足も大きく動いていた。ギシギシとベッドが鳴って、気づか
れないかと不安になる。
「あぅ……むっ、うぅっ……んぅっ……!」
 けれどその不安も興奮に変えて、柳さんは高ぶっていく。
「ふむ……ぅ……んぐ……ぐ……」
 僕は中で溢れてくる先走りを舌で舐め取り、裏筋とか鈴口とかを舌先や舌腹
で刺激しつつ、血管の浮いた幹を唇や口内粘膜で擦った。できるだけ音を立て
ないように気をつけて、だけど、できる限りの吸引も加える。
「くぅぅっ……! む……むぅっ……んぅーーっ……!」
 苦しそうな、快感を堪えて苦しそうな呻き声が聞こえてくる。上半身を左右
に捻っているのも感じられて、すごく感じてくれてるんだなーと、ちょっと嬉
しくなった。
「くふ……っ……! あぅぅ……!」
 柳さんは舌と口の動きにちょっと変化をつけるだけで、敏感に反応して体を
捩り、ペ○スを飛び跳ねさせる。
 うわ、すご……。
 先っぽのカリのところが、すごい膨らんでて、唇にめちゃくちゃひっかかる。
僕はそこを千切り取るような感じで、唇で引っ張ってみた。
「くむぅぅっ!? うぅ……うぅぅぅ……」
「……どうかしたかい?」
 保険医の声が聞こえてくる。
「ふぅ……ん……すいません、何でも、ないです」
 熱っぽい声で答えた柳さんに、ぱこんっと頭を叩かれた。
「み、三谷くん……やりすぎ……ふあっ……!? ん、むぐっ……!」
 銜えて吸い上げると、悲鳴が聞こえた。慌ててハンカチを銜えなおしている
感じ。僕は舌を外に出して、入り口を狭めて、顔を上下させていく。
「むぅっ……! せ、せみゃ……い……んぅ、ぁ……! 感じ、すぎ……ちゃ
う……! ふむっ、うーっ……!」
 肉棒だけじゃなくて、腰ごと痙攣してくる。トロトロと先走りの汁が大量に
溢れてきて潤滑油になり、ちょうどいい摩擦感で幹の半ばからを口で擦り上げ
る。僕は亀頭は常に含んで舌を押し当てたままで、小刻みに、追い込むように
首を振っていった。
「あむ、む……ら、らめ……! 三谷く……い、いっちゃ……うよ……!」
 一際大きく膨張した柳さんのペ○スが、ビクンッと弾けたように脈打った。
先端からドバッという勢いで、喉に熱い粘液が吐き出されてくる。
「ぐむぅっ! むぐ、ぐぐぐーーーっ!」
 一発目がまだ喉の中に残っていたために、かなり絡んだ。けど、溜まってい
た唾液と一緒に胃へと流し込んでいく。
「くふぅっ……! うーっ……! うぅぅーーーっ……!」
 精液を吐き出すしゃくりをペ○スが上げる度に、柳さんが呻くのが聞こえて
くる。同時に頭を押さえられ、腰が突き上げられてきた。
「ふぐぅっ……!」
 喉奥に先端がぶつかって、目から火花が散った感じがした。目の前に腰があ
って、陰毛が唇に絡んでいる。
「くっふぅ……! うぅっ、あぅ……ふぅぁぁぁーっ……!」
 絶頂の快感を堪えるように、柳さんは僕の頭をずっと掴んでいた。
 肉棒はなおも、びくびくと激しく脈動しながら、僕の食道へと煮えたぎる精
を注ぎ込み続ける。
「あむぅ……むぐっ、ふぐぐ……!」
 口中を異物に埋められる苦しさに涙が滲んだ。時に短く思える射精も、こう
していると本当に長く感じる。柳さんの味と匂いが口から脳へと滲んでいくの
を感じながら、僕はひたすらに耐え続けた。
「うぅ……あぅぅ……っ」
 吐精が終わると、柳さんの全身の緊張が解ける。
「むううぅ……ぷは……ぁ……! はぁ……はぁ……」
 僕は変な声を出さないように気をつけながら、ゆっくり顔を上げた。
 タオルケットから頭を覗かせ、ハンカチを銜えたまま興奮の余韻に喘ぐ柳さ
んに目で尋ねる。
「はぁ……ぅ……」
 迷っているような顔をした。欲望はいまだ萎えずに猛っている。しかし、カー
テンの向こうには他人がいるわけで、どうしたって集中できないよね。見つか
れば問題だし……。
「コーヒー飲むかい?」
 柳さんの葛藤を一方へと寄せるように、保険医が声をかけてくる。そういえ
ば、コーヒーの香りが漂っていた。
「あ、はい、いただきます」
 柳さんは意を固めたように、タオルケットを剥いだ。
「…………」
 僕が股からどくと、急いでショーツをはき直す。
 そしてベッドから降りて、カーテンのすぐ向こうにある窓を開けた。どうや
ら、ここから出て行けということらしい。
「ありがと」
 柳さんは僕の耳元でそう囁くと、頬に軽くキスをしてきた。
「うん……」
「……それじゃ、あとで」
 僕は窓から静かに外へ出た。


〜6〜

 今さら授業に出るのも何かと思って、ぶらぶらしていると、一時限目終了の
チャイムが鳴った。
 一分経たない内に、教室からぞろぞろと生徒たちが出てくる。
「…………」
 さぼりという後ろめたさからか、なんとなく落ち着かない気分になった。そ
れにこの学校もご多分に漏れず、体育のクラスの生徒の、所持品盗難事件が流
行っている。もし万が一、今日この時間に事件が起きたら、濡れ衣って言うか
なんていうか、面倒くさいことになりかねない。
 って、それは心配しすぎかな?
 一応、一応、証人いるし。たぶん柳さんなら証言してくれると思う。エッチ
な行為のことは抜きしにして。まあ、保健室で会話を楽しんでいたなんてくら
いでも、問題ないかなーと思う。
 何はともあれ、僕は人がいない方へと移動していった。むしろ疑われたとき
の疑いを助長するような行為と思わないでもないけれど。
「はぁ……」
 自転車置き場の傍に植えられている木を囲む石段に座る。昼休みはけっこう
人がいるけど、この時間は普通は誰もいない。だって教室からここに来て、座
って、3分もしたらたぶんチャイムなっちゃうから。帰る時間を考慮に入れる
と、遅刻の可能性大。お喋りしにくるにしては、ちょっとリスク高いよね。煙
草とか吸うにしてはどう考えても、開けた場所の太陽の下は見つかりやすくて
不適合だし。まあ、そういう場所柄なわけだから、例えば告白のために手紙で
人を呼び出すとかならけっこうありかもしれないけど。今どき手紙で呼び出し
て告白なんてレトロっぽい方法が使われているのかは、ちょっぴり疑問なんだ
けどね。
 ……ん?
 しばらく考え事をしながら、ぼーっとしていたら、校門から女生徒が入って
きた。どうやら遅刻組らしい。
 一年の置き場で自転車を降りた少女が、僕に顔を向けた。ちょっと驚いたよ
うな顔をする。
「……あの」
「はい?」
「もしかして、三谷先輩ですか」
「……そ、そうだけど」
 誰?
「…………」
 僕が肯定すると、少女は険のある顔つきになった。反射的に、何か彼女か彼
女の知り合いにでも悪いことでもしたかなと思う。だけど、僕は下級生に知り
合いはひとんどいない。それに独りでいることが好きな僕としては、他人に迷
惑をかける行為は物理的にしにくい。
「わたし、牧原香澄といいます」
「牧原……香澄」
 どこかで聞いたことがあるような名前だった。あるいは、見覚えのある……。
 と思って、少女の顔を見てみるが、知らない顔だった。柳さんと比べると子
供っぽい気もするけど、顔立ちは整っている。美少女と呼んでも別に差し支え
はない。髪は肩までは届かず、頬を覆うくらいで、色は黒い。遅刻してくるわ
りに礼儀にはうるさいのか、かちっと一番上までシャツのボタンをかけていた。
スカートの丈も校則範囲内という奇跡的な長さだ。ある意味で目の保養。身長
は160弱くらいでスレンダー。木の影の中にいるから気づかなかったけど、
牧原香澄はけっこう焼けている。人工的な色ではなく、自然と焼けたような小
麦色の肌をしている。もしかしたら、運動系のクラブに入っているのかもしれ
ない。
「…………」
「…………」
 僕が見ている間に、向こうも僕のことを見ていたらしい。顔に視線を戻すと、
ちょうど目が合った。相変わらず鋭い目つきをしている。観察ではなく、値踏
みするというか、なんというか、敵意がこもっているのが確信できる瞳の色だ。
容姿としては好意を持てるけれど、どうやら嫌われているようだ。初対面なの
に。そのはずなのに。
 今は休み時間で、場所が場所でも、彼女は僕が授業をさぼったことも知らな
いはずだ。自分で言うのも何だけど、初対面の相手に嫌われるほどの特徴があ
るわけじゃない。平凡が嫌い、という人には嫌われるだろうけど。
「……で、何か用でもあるわけ?」
「三谷先輩、柳先輩と付き合ってるんですか」
 返された質問はかなり意表を突いてきた。
「え、ええ? あ、ああ、まあ、一応……」
 どう答えるものか迷ったが隠していても仕方がないので頷く。
 ……っていうか、何で知ってるんだろ?
 だってさ、付き合いだしたのは本当にここ数日のことでしょ。街中で誰かと
会って、ああ、この二人は付き合ってると直感されるほどに親しい姿は見せて
いない気もするんだよね。学校の中ではもうエッチなことしちゃってるわけだ
けど、それを目撃されてたら、付き合ってるんですか、はないと思うわけで。
ということは、どこかで二人でいるところを目撃されたってことなのかな? 
柳さんがこの牧原香澄に僕のことを話したなんてこともあるかも。親しい友達
として。もし柳さんが普段男のことを話さない人だったら、もしかしたらそれ
だけで直感してしまうなんてことも……。
「柳先輩と別れて下さい」
「は、はいっ!?」
 勘違いかと思う言葉だったが、どうやら本気らしい。真剣な顔で続ける。
「柳先輩はあなたなんかと付き合っちゃだめなんです」
「い、いや、だめって言われてもさ……なんていうか、その、付き合っていく
かどうかは、僕と柳さんの問題で……」
「だめなものはだめです」
「…………」
「今日中に別れて下さい。別れないと……」
 牧原香澄の目がきらりと光った気がした。
「実力行使します」
「じ、じつりょくこうし?」
 反射的に漢字が思い浮かばなかった。いや、浮かんで変換もされたんだけど、
意味がわからないせいで、ひらがなに戻ってしまったという漢字だ……感じだ。
「わかりましたね」
「…………」
 念を押した後、去っていく彼女の背中を僕は呆然と見ていた。


〜7〜

 牧原香澄が校舎へ消えてからほどなく。
 柳さんが人捜し顔で校舎から出てきた。捜しているのは、もちろん僕だろう。
僕じゃなかったら、ちょっとどころでなくショックなんだけど。
 僕が手を振ると、柳さんは微笑んで駆け寄ってきた。よかったよかった、と
内心胸を撫で下ろす。本当に柳さんと付き合ってるんだって自覚してるんだろ
うか、僕。
「ごめん、小川先生と話してたら、ちょっと長引いちゃって」
「仲良いの?」
「ええ、この学校で、私のことを知ってる数少ない人よ」
「あ、だから」
 道理で柳さんが保健室にいたことをすぐに納得したわけだ。プールには出れ
ないと言う理由も知っているのだろう。
「……あのさ、ところで、牧原香澄って知ってる?」
「牧原香澄?」
「うん。ついさっき話しかけられて、柳さんとのこと色々言われたんだけど…
…」
「あ……ああ、牧原香澄」
「知ってるの?」
「中学の時のクラブの後輩」
「へえ……って、柳さん、クラブ入ってたの?」
「だって、強制だったから。それにそこそこ面白かったかな……」
「なに?」
 あれこれと予想しながら聞いてみる。文学部か書道部あたりが第一候補で運
動系は可能性が低い気がした。その推測、もろに牧原香澄の第一印象を無視し
てるけど。
「ゴルフ部」
「ご、ゴルフ?」
 予想を裏切った解答。それどころか、最初の候補の内にも入っていない。
「そんなの中学にあったんだね……」
「何でか知らないけど、あったの。で、あの子もそこにいたのよ。で、抜群に
うまかった」
「あ、そっか、牧原香澄って……」
 どこかで見たことがある名前だと思ったら、昨日の新聞で見た名前だ。そう、
たしか……。
「アマでプロ大会の2位か3位に入ったとかって……」
「そうなの? うまいとは思ってたけど……」
 少し驚いた顔をする柳さん。
「それで遅刻かな……」
 昨日の大会はここからずいぶんと離れた県で行われていたはずだ。大会後に
取材なんかもあっただろうし、もしかしたら今朝こっちに戻ってきたのかもし
れない。
「で、彼女とは仲良かったの?」
「その前に、何言われたのか訊いてもいい?」
「えーと、端的に言うと、『別れろ』」
「そんなこと言ってきたの?」
「うん」
 柳さんは髪を摘んで首を振った。
「三谷くんはそれに、なんて答えた?」
「僕たちの勝手、とは答えたけど……」
 実力行使とかいう話は黙っておいた方がいいのかな、と思う。
「そう……うん、それはそれでいいと思う」
「でも、正論を嫌う人もいるんだよね……」
「感情的になってるとそうね。あと、気をつけた方がいいかも。あの子、不真
面目な部員、容赦なくけっ飛ばしてたから。男女の別なく」
「うおおい……」
「なにそれ」
「いえ、なんでも」
 実力行使。なんか嫌な予感がしてくる僕だった。
 だってさ、ゴルフクラブで人が殺される小説ってけっこうあるよね?
 ああいうのって、凶器になりやすいんだよ。金属バットより軽くて、先端が
重いから、凶器の素質は抜群だ。アイアンの先端をガツンって振り下ろされた
日には、あっさりと逝っちゃうよ。ああ、怖……そもそも殴り合いっていうか、
暴力沙汰なんかになったら素手でも負けちゃうかもだし。
「で、でさ……柳さんとの関係は?」
「おおむね良好な先輩後輩関係。勉強は見てあげた、かな」
「へえ……って、それだけ?」
「他にはないと、私は思うんだけど……」
「メチャクチャ尊敬されてたとか、ない?」
「尊敬は、してた」
「そっか……」
「ただ……」
「……ただ?」
「女子校でお年頃の女子ばかりなわけだから、軽い恋話もするわけ。で、彼女、
ちょっと男性恐怖症っぽいところがあったとは思う」
「男性恐怖症……」
「そう。でも、半分は思い込みかな……? 痴漢に遭ったとかなんとか。それ
で男全体に恐怖心を持つってあり得ないことじゃないけど、思い込みは思い込
みよね」
 そこで、柳さんはチラッと僕の顔を覗く。
「三谷くんみたいな人畜無害っぽい男の人見てどうこうっていう程のものじゃ
ないと思うよ。私が卒業してから何かあったかもしれないけど……でも、それ
なら、また女子校に進めばよかったんだから」
「なるほどねぇ、って人畜無害ってどういうことさ」
「なんとなく、そんな感じがするってこと」
「あそう」
 褒められてはいないよねー……ってまあいいか。人畜無害。いい言葉だ。理
想の生き方かもしれない。
「恐怖感じゃなくて、嫌悪感っぽかったよ」
 殴りかかってきそうな感じは、恐怖心なんてこれっぽっちもないだろうと思
う。
「ま、いきなり刺されたりはしないでしょ。次にアクションがあったら対応考
えよ」
 うー、刺されるかぁ……。
 まさかまさかだけど、そんなことなったら嫌だなぁ。
 月のない夜と背後には気をつけよう。
「どうかした?」
「う、ううん、何でも」
「そ。じゃあ、二限目が終わるまで、ここで話そっか」
「いいよ」
 誰も来ない場所で僕たちは、他愛もない会話を重ねた。


〜8〜

 朝の続きは、柳さんの部屋だった。
 スカートを脱いでベッドに腰かける柳さんの股間では、すでにペ○スが猛々
しく隆起している。白い光の中で柳さんの部屋だからこそ、なんていうか、周
りの景色とすごくアンバランスでグロテスク。見ているだけで僕も大きくなっ
てくるくらいのいやらしさがある。
「すごいよね、柳さんのって……」
「どういう意味よ……」
「え、いや、平常時はどうなってるのかなーって……見たことないから。ずっ
と勃起してるなんてこと、ないよね?」
「あ、当たり前じゃない。大きくなってたら、やっぱり隠し切れないよ……」
「そうだよ、ね……」
 日本人男子の平均よりたぶんかなり大きいし、パンツ飛び出して、スカート
持ち上げちゃいそうだし。
「えと……それじゃあ……」
「ちょっと……待って」
「え?」
「……私も、するから」
「え……? するって……?」
「だから、フェラチオ……私もする」
 柳さんが上になってのシックスナインだった。
 2人ともついているので、かなり難しい感じだ。横向きも考案されたんだけ
ど、採用されなかった。首が動かしにくいから。重力の向きに平行に動かす方
がそりゃ動かしやすい。
「……はぁ……ぁ……」
 柳さんの手は僕の勃起を捉えていて、顔を寄せているのか鼻息も感じられる。
けれど、四つん這いになった柳さんの股間から伸びているペ○スはずいぶん前
の方にある。でも柳さんの熱はすでに僕の胸に触れていた。ちなみに、僕も柳
さんも、舌だけ脱いで、上は脱いでいない。
「ねえ、と、届かない……んだけど……」
 首を曲げて、舌を伸ばしても五センチくらい足りない。
 柳さんがもっと体をまっすぐにしたら届くだろうけど、だけど、少し怖い。
その分、柳さんの腰は落ちてくる。もちろん、長大な肉棒も。要するに、自分
で呑み込むよりずっと奥まで入ってきそうなんだよね……。
「え……っと……こんな、感じかな……? あぅ……っ」
 柳さんの背中が少し伸びた。ペ○スの裏筋が僕の顎を撫でて、唇の前にやっ
てくる。
「む……う、うん……だいじょうぶ」
「せーの、でいい?」
「うん……えっと、舐めればいいの?」
「そう、ね……」
 いっせいのーで、で僕たちは目の前にある亀頭に舌を伸ばした。
「ふぁ……ん……」
 朝に味わった柳さんの味が舌の上に広がって、同時に柔らかい舌粘膜が僕の
勃起を擦っていく。
「む……くぅっ……」
 僕は思わず股間に力を込めて勃起を跳ねさせ、同じように柳さんのペ○スも
舌から離れていった。
 ああ、なんか、ちょっと、僕自身が舐めてるせいで、感覚麻痺しちゃってた
けど……柳さんに、舐められてるんだよな……。
「こんな味なんだ……三谷くん」
「う、うん……僕にはわからないけど」
「そうね、私も私のはわからないもの……」
「ど、どんなだった……?」
「味はね、そんなにないけど……ないのに、頭がぼーっとなる感じ」
「そ、そっか……僕もそんな感じだった」
「それじゃ……つ、続けるね……?」
 僕は返事をするように、柳さんの肉棒を掴んで口の方へ持ってきた。
「……っ……くぅ……!」
 僕が舐める前に、柳さんの舌が触れてきた。あの柳さんが舐められてると思
うと、ビクビクと柳さんの指の中でペ○スが痙攣してしまう。手でされたとき
よりずっと刺激は小さいけど、快感は大きい感じだ。舌とか口でペ○スを愛撫
するのに、どこか禁忌的なイメージがつきまとうからかもしれない。
「ちぷ……ん……」
 いったん舐め始めてからは、柳さんは休まずに温かい息を吐きかけながら、
ぬめった舌を這わしてくる。
「すごく、跳ねるね、三谷くん……」
「う、うん……舌、気持ちいいから……」
 な、なんか危ない……。股間に意識を集中してると、何もできなくなりそう
だ。とりあえず、僕は自分が舐められていることはあまり気にしないで、目の
前の柳さんの亀頭に舌を伸ばした。
「あうっ……ん……」
 ビクビクと柳さんの腰が蠢いた。同時に舌の動きが止まる。柳さんのペ○ス
が男のモノ以上に敏感なのはわかっていたりするので、当然かもしれない。
 僕は握った手を弾き飛ばしそうなくらいの脈動を感じる肉棒の鈴口に舌を差
し込み、くちくちと内側をえぐる。
「んぅっ、み、三谷く……!」
 柳さんの舌は止まったまま動かないけれど、僕は舌を動かし続ける。柳さん
は呻き、腰を気持ちよさそうに蠢かせる。
「あうっ!」
 そこで、股間に痺れが走った。
「い、痛い、よっ……柳さんっ」
 思いきり握りしめられていた。けっこう気持ちいいけど、あまりにも力が入
りすぎていて痛い……。
「ご、ごめん……気持ちよく、なっちゃって……」
 痛いくらいの圧力からペ○スが解放される。
「はふ……」
「はぁ、あぁ……つ、次は……銜えれば、いいのよね?」
「う、うん、そうだね……」
「ん……ふむっ……!」
「むぐぅっ……! んんーっ……!」
 僕たちはまた申し合わせて、先端を銜え合った。僕の腰と柳さんの腰はやは
り、ビクンッと同時に震える。
 だけど、どんなに震えても、銜えてしまっているので、離れることはない。
お互いに、噛まないようにだけ気をつけて、首を動かしていく。
「んむぅ! んぐ、ぢゅく……!」
「んんっ、むぐ……ふごい、三谷くん……ぢゅぷっ……気持ちいいよ……」
「や、柳さんの、口も……気持ちいいよ……じゅぱっ……ぢゅくぢゅっ……!」
「ひむぅ……んっ、んぢゅっ……! あ、ああっ、み、三谷くんっ!」
「ふむぅっ! んっ、んぐぐぐーーっ!?」
 突然、柳さんの欲望が喉まで押し入ってきた。目の前に柳さんの白い太もも。
唇にはコリッとした恥骨の感触がぶつかってくる。
「あむうぅっ、あん……い、いい……あったかいよ、三谷くんっ……!」
 腰が上下を始め、容赦なく口を犯してくる。まるで、あそこに挿入して腰を
動かすように。ぼんやりとこういうのはなんて言うんだっけ、と考える。
「えぐっ、ふぐっ、ぐっ、く、ぐるしっ……! ぐむっ、ふぅっ、んんーーっ!」
 僕は吐きそうになりながらも、口を閉じず、歯を当てないようにできる限り
大きく開いていた。柳さんのペ○スは舌の上を滑り、喉を通り、奥に勢いよく
ガツンってぶつかってくる。
「んっ! むぅぅ、ちゅ……あっ、ふあああーーっ!!」
 それから柳さんの精液が口の中に放たれた。けれど、柳さんの肉棒は萎える
ことなく、僕の喉の奥を抉り続ける。
「んぢゅぅ、あんっ、ぬるぬるしてるっ、ああっ、き、気持ちいいよぉ!」
「ふぐぅっ! んぅ、んむぐっ……!」
 粘液でグチャグチャになった喉が、柳さんの肉棒でさらに擦られ、泡立って
いく。喉が完全に塞がれる感じで、呼吸もままならない。でも、手を柳さんの
腰に回しても、柳さんの動きは止まらない。それどころか、ますます加速して
くる感じだった。だけど、自分の快感だけに集中しているように見えて、僕の
ペ○スも銜えたまま。腰と一緒に首も動かしているみたいで、僕も腰にぞくぞ
くしたもが込み上げてくる。
「ひむぅ、んっ、イクっ! 出ちゃうよっ、三谷くんーっ!」
 柳さんが根本まで押し入れてきて、腰を震わせた。しゃりしゃりと唇の前で、
血網が擦れる。そして、一気に膨張した先端が、僕の口の中で2回目の絶頂に
弾けた。
「はむぅっ……むぅ、んっ、んんんんーーーっ!!」
 もう一回僕のを銜え直して、柳さんが大きく呻いた。ドピュドピュと粘液が
吐き出され、ただでさえ精液にまみれていた喉がカーッと熱くなる。
「ぐぷぷっ! ふぐぅっ、むぐっ……! う、うううーーっ!!」
 射精を喉奥に受けながら、僕もまた絶頂を迎えて、柳さんの口の中に精液を
放っていた。
「ふむぅぅっ!? んぐっ! ぐっ! ふむぐんんーーっ……!!」
 僕たちは絡み合ったまま、同時に訪れた絶頂の衝動のままに、腰を、全身を
震わせた。
「ぐむむっ……ん、ふぁぁ……」
 柳さんの硬直がゆっくりと解けていく。
「んぐ、んぐっ……ふ、むぅぅ……」
 僕はまだ萎えない柳さんの勃起を口の中に奥まで受け入れたまま、なんとか
一息つく。
「あうむ……ん……三谷くん、もう1回、いい?」
「……ふむっ、ん」
 僕は返事として、ほとんど隙間のない口中で舌を動かした。
「じゃ、じゃあ、行くよ」
 僕たちは、もう1回ずつ相手の精液を飲んで、シックスナインを終えた。


〜9〜

「はい、お口直しに」
 正三角形のテーブルに用意されたのは、紅茶とカステラ。
「あ、ありがと」
 とりあえずといった感じで、僕たちは紅茶を啜る。
「やっぱり……苦かった?」
「そうね。前も思ったけど、私のより、三谷くんの……っていうか、男の人の
かな……ずっと青臭いっていうか、苦い感じ」
「出してもよかったのに……」
 味っていうのは、喉越しもあるけど、やっぱり口の中で感じるものなわけで。
味を確かめたら、出しちゃってよかった。
「でも三谷くんにも何回も飲ませちゃってたから。それより、ごめんね」
「……へ?」
「苦しかったでしょ……?」
「うん……まあ。食事の直後とかだったら、ちょっと危なかったかもしんない
……」
 柳さんのは、喉の奥……食道まで入ってきた感じだった。
「ああいうときって、頭の中がカーって熱くなって、気持ちよくなることしか
考えられなくなっちゃうの」
「性欲強いんだよね、柳さんって。きっと、男と女が両方あるから……」
「い、言わないでよ……もう」
 ちょっと顔を赤らめる柳さん。
「でも、そういうのって、嫌いじゃないよ、僕。理性が弾けちゃってる感じで、
そういう気みたいのにあてられるのって、すごくゾクゾクする……」
「……そう?」
「うん。それに、柳さんって、そういう自分のこと、嫌いじゃないでしょ?」
「ええ。快楽に夢中になって、周りが見えなくなってる私って……嫌いじゃな
い」
 理知的な柳さんだけに、そのギャップっていうかなんていうか、やっぱり背
筋が、ゾクッて粟立つ。快感にも似た甘い痺れ……。
「だけど、その向きと量は特異だと自覚はしてるのよね……それについて来ら
れる人も少ないんだろうなって思うし……」
「今のところは平気。嫌じゃない」
「それは、好きでもないってこと?」
「……どうだろ」
「正直に言ってくれていいよ。無理に付き合わせるの、絶対に嫌だから」
「一方通行って感じじゃないから、いいとは思う」
「私もしてるから、ってこと?」
「うん、それもあるにはあるけど……柳さんが僕の手とか口で感じてるところ
を見るのは、感じるのは、好きだよ。だから、してるときは、柳さんにもっと
気持ちよくなって欲しいと思う。上に乗って口の中に入れられるのも、ちょっ
と怖いかも、とは思ったけど、嫌とは思ってなかったし……気持ちよくさせた
いって思うってことは、好きなのかなって感じ」
「…………」
「さっきの話に戻るけど……周りが見えなくなっちゃってる柳さんは、なんて
いうのかな……すごく無防備な感じで、それを僕だけに、僕といるときにだけ
見せてくれてるって思うと、嬉しくなるし……」
 とりとめもない話をしてるみたいで、なまじ柳さんが黙って聞いているから、
なんとなく頬が、頭が熱くなってきた。
「普段のかっこいいって感じの柳さんはもちろん好きだし……恋愛感情がこも
ってるかどうかはわからないけどね……本能剥き出しで無防備な柳さんも好き
で、それにすごく可愛いとかって思う」
「それ……ありがとう、でいいの?」
 あ、あれ?
 なに言ったんだろ、僕って。
 え? え? い、いまいち思い出せないんだけど。
「い、いや、えっと、う、うん、それで……い、いい、かな?」
 キョドリながら紅茶を一気に飲み干す僕。
「ぐ……ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ!」 
「な、なにしてるの?」
 手が背中を撫でてくる。
「う、ごめ……なんでも」
「はぁ……」
 後ろにいる柳さんの呆れ気味の溜息。
「自分で言って動揺しないでよ。変な人ね……」
「う、ん……自覚してる」
「でも私、三谷くんのそういうところ、けっこう好きだけど、ね」
「は、はは……そ、それは、ありがとう、でいいのかな?」
「ふふ、そうね、いいわよ」
 ちょっと落ち着いて、それから、なんとなくホッとする僕だった。







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